×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

謎に満ちた出生
 バイアリータークダーレイアラビアンと並んで「三大始祖」と呼ばれるのが、このゴドルフィンアラビアンである。現代に生きるサラブレッドの父系先祖を辿っていくと、この3頭のどれかに辿り着くというものだ。3頭の中でもゴドルフィンアラビアンは比較的遅い時期に活躍した馬だった。彼と同時期に活躍したホブゴブリンという馬はダーレイアラビアンの孫にあたるのだ。ちなみに、他の2頭同様、ゴドルフィンアラビアンという名前は後々付けられた名前であり、当時の人々がそう読んでいたわけではない。
 ゴドルフィンアラビアンは、イエメンで生産されたと伝えられている。後にフランス国王ルイ15世への貢ぎ物として献上されるが、長旅ですっかり痩せこけたゴドルフィンアラビアンは国王に嫌われてしまい、イギリス人のエドワード・コークという人物に譲ったといわれている。しかし、この話もはっきりとした証拠が無く、一説にはパリで給水車のひき馬をしていたともいわれる。だが、ゴドルフィンアラビアンが当時の馬としては優雅な馬体をしていたということは確からしい。
 ちなみに、ゴドルフィンアラビアンは「ゴドルフィンバルブ」とも言われる。これは、彼の生まれが北アフリカのイエメンだったことから、その地方で栄えていた「バルブ種」ではないかという説に基づく。しかし、特徴的にはアラブ種としてのそれが強く出ているので、恐らくアラブ種ではないかという説が定着している。

優秀な父
 エドワード・コーク氏のもとで繁殖生活に入ったゴドルフィンアラビアンは、種牡馬としての素質をいきなり見せつけた。1年目に種付けをしたコーク氏所有のロクサーナ(Roxana)という有名な牝馬との間にラス(Lath)という牡馬をもうける。しかし、コーク氏は1733年に32歳の若さでこの世を去った。そのため、彼の所有馬が彼の友人へと引き取られ、その結果としてゴドルフィンアラビアンは彼の最後の馬主ゴドルフィン伯爵の元へ行くのだった。
 ラスは非常に優秀な競走馬で、当時では最強といわれていた。彼以前に最強と呼ばれたフライングチルダーズ(Flying Childers、ダーレイアラビアンの産駒)を上回るとさえいわれていた。しかし、このロクサーナとの種付けにもエピソードがある。一説では、当時最も優秀な種牡馬と言われたホブゴブリン(Hobgoblin)とロクサーナを巡って決闘をしたとか、ホブゴブリンが種付けを嫌がったので代わりにゴドルフィンアラビアンを種付けしたともある。
 競走馬としてラスは確かに優秀だったが、種牡馬としてより優秀なのはラスと全兄弟のケード(Cade)であろう。ケードは、母親のロクサーナが出産後に死んでしまったため、牛の乳で育てられたとある。ケードから生まれたマッチェム(Matchem)は、現代まで続く優秀な産駒をつなげる重要な種牡馬となった。例えば、史上初の三冠馬ウエストオーストラリアン(West Australian)、その直系子孫でアメリカ史上最強と言われるマンノウォー(Man o'War)、そして日本では、2004年の高松宮記念を勝ったサニングデール、同年のスプリンターズステークスを勝ったカルストンライトオがいる。主にアメリカの名馬に彼の血統を宿すものが多い。
 彼の産駒は非常に優秀で、他にもレグルス(Regulus)とブランク(Blank)が有名である。先ほどのケードとあわせたこの3頭で、11回もイギリスのリーディングサイアーになっている。


グリマルキンと一緒
 ゴドルフィンアラビアンは非常に荒い気性だったと言われる。フランスにいた頃も、厩舎のスタッフからはその激しい気性が嫌われ、彼の肖像画を描いたヴィコムッテ・デ・マンディという人物も「美しさで彼に敵う馬はいないが、唯一の欠点はその気性である」と記述している。しかし、そんな彼が常に心を開いたのは何と猫だった。上の肖像画の右下の方に猫が見えると思う。これがゴドルフィンアラビアンの相棒、グリマルキンである。彼らは非常に仲良しで、厩舎ではいつも一緒にいたという。だが、グリマルキンが亡くなると、ゴドルフィンアラビアンは突然猫を毛嫌いするようになり、猫を見かけたら飛びついて殺そうとしたと言われる。ところがこれにも一説があり、先に死んだのはゴドルフィンアラビアンで、それを追うようにしてグリマルキンも間もなく死んでしまったという。どちらにせよ、彼らがとても仲良しだということは間違いない。
 ゴドルフィンアラビアンは1753年に30歳という長寿でこの世を去った。

ゴドルフィンアラビアン Godolphin Arabian(UK)
牡 黒鹿毛

馬主 Edward Coke(エドワード=コーク)→
Francis, the second Earl of Godolphin(ゴドルフィン2世フランシス伯爵)
生産者 不明
調教師 不出走
戦績 不出走
獲得賞金 不出走
主な勝ち鞍 不出走
血統表